● 柳澤吉保の邸址 (旧生駒郡郡山町)
 郡山城は、柳澤伯爵家の舊治所である。中央本丸址に柳澤神社がある。其東方に、伯爵家の別邸、又南方に郡山中學校がある。
 昔、藩祖柳澤吉保は、今の別邸の所に本屋を置き、中學校の所に寵愛の女を數多置いて居た。或日、吉保が中食をしてゐると、其箸の先から、青や赤の火の玉が飛出し、飯櫃からは烟が出る。それが毎日續くので、屋を移して今の柳澤養魚場の所に置いたと云ふ。
(上記では吉保の伝説となっているが、郡山に入城したのは息子の吉里で享保九年(1724)三月のこと。父の吉保は郡山入城以前の正徳四年(1714)十一月にすでに亡くなっているので、郡山に入っていなかったと考えられる。知名度の高かった父の吉保と息子の吉里とを混同して伝えられたと考えられる。)(塚本義一)


● 源九郎狐 大和郡山市洞泉寺町(旧生駒郡郡山市洞泉寺)
 源九郎狐は、郡山のお殿様のお使いものであった。徳川・豊臣の合戦の時、スパイとして活躍し、徳川方に有利な諜報をもたらしていたが、ついに豊臣方のために殺された。後、郡山のお殿様はこれをふびんに思い、城下の洞泉寺境内に祭って、今に伝えている。(小島拓之介)


● 綿帽子を買った狐 大和郡山市(旧生駒郡郡山町)
 郡山市柳三丁目、寺戸屋という果物店は、昔、綿帽子屋であった。
 ある日、ひとりの男が綿帽子を買いにきて、代金は月末に、同市洞泉寺の源九郎稲荷社で支払う、といって立ち去った。月末に代金を取りに行くと、社の人は知らぬという。かれこれ押し問答していると「お狐さん」が眷属を連れてズラリと現れ出た。見れば、その「お狐さん」たちが、全部帽子をかむっていた。(小島拓之介)



源九郎稲荷神社
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