● 玉置の神さまの水浴 吉野郡十津川村玉置山
 玉置神社から1km半西原に下った字奥葛谷に駒ヶ淵という名高い淵がある。
昔、玉置神社の神さまがお馬に乗って、この淵に水浴びされること実に数十回におよんだから駒ヶ淵という。淵の上方10mのところに小さな芝地があって、ここには今まで木が一本も生えず、神さまが水浴びの支度をされた場所だと尊敬している。その淵に注いでいる水は玉置山に発し、駒ヶ淵から西流して二津野に出て十津川に入っているが、駒ヶ淵の上にかかっている、高さ27mの滝を腹巻ヶ滝という。この滝は玉置の神さまが淵で水浴びされる時、お馬の腹巻をお洗いになったところだといい、村の人びとは恐れて近よらない。
 (松本俊吉)


● 犬ほえ檜 吉野郡十津川村玉置山
 郷社玉置神社の鎮座する玉置山に、一千年も経たであろうと思われる一本の老檜があって、常に霧立ちこめている。
 昔、遠く熊野浦から此山に向かって、大津波が押し寄せて来た。どんなになる事かと思われた。その時、どこからともなく、一匹の犬が現れて、この檜の枝に登り、一声二声不思議な声で吠えた。すると、今までの大津波がさっと引いて、元の静かさに帰った。
 それで今も犬吠檜とよび、其皮は魔除けになるとて、参拝者が剥ぎ取ってゆく。又一息の中に、此の木の周園を廻った者は、きっと福が授かるとも伝えられている。 (榎朝義)


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